音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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Invincible / Michael Jackson (2001)

MJ祭りラスト。

21世紀のMJはリズム部隊が活躍する楽曲は完全に時流に任せ、バラードで自身の色に染めるという行動に移ったように思える。それほどに「コンテンポラリー」。逆に言えば、ポップスと言うオンタイムの流れに一切逆らうことなく、自らのアンダーコントロール下に全てを置いていたということがよく分かる。

逆に言えばこの作品までの約10年の隙間のうちに、時代は大きく動いてしまったと言うことの証明でもあるかのように思える。主軸にあるのは確かにMJなのだけれども、どこか陽炎であるかのような儚さを覚えてしまう。彼のソロキャリアのうちで最も問題作だったのが本作だったのではないだろうか。

先ほど書いた「瑕疵」がMJにあるとすれば、時代を完全にすくい取ることに最後の最後でややブレが生じてしまったことにあるかもしれない。しかしそれでもMJという世界観は揺るぎない。今さらながら、改めて素晴らしいアーティストだったことを痛感。そして、これからも愛聴していきたいと切に思った次第。