さ、このアルバムを含めて残り3枚の「1日1枚ミッシェルさんを新しい順に聴く」ですよ。
新しい順番に聴いているからか何なのか、古くなればなるほど、どんどんバンドがポップな要素を含んでいくように感じる。事実、ここでのTMGEは非常に「聴きやすい」。
サウンドはもうどこをどう切り取ってもTMGE印なのだけれども、特にシングル曲に愛嬌が感じられるほど。シングルだけを切り取れば結構「売れ線バンド」に聞こえてくる。それは、この時期のチバユウスケが、しっかりと「歌っている」ことに起因しているように思われる。チバ独特の吐き出すようなボーカルとは微妙に異なり、唸りながらも「歌う」という歌唱法を取っているように聞こえるのだ。それが結果として歌物としてのTMGEを構築しているのではないかと。
そう考えると、その後のTMGEが突き詰めていくバンドの世界観が、どんどんとハードボイルドに突き進んでいったという最初に抱いた感想も、あながち間違いではないのだと思ってみたり。この辺の時期とのギャップが第一印象に繋がっていたということだ。