音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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SATOLEX Tubomi DH298-A1 / 茶楽音人(さらうんど) Co-Donguri雫 / maxell MXH-DD600 いざ勝負!

オーディオの師匠様から課題が下された。実売5,000円台以下のイヤホンを3種買ったので、聴き比べてどうぞ、と言う事で。どうせ暇なのだ、徹底的に検証してやろうじゃないかと思ったので、取りかかったのが下記の内容。

さて、戦ったのは、以下の3種類であります。

SATOLEX Tubomi DH298-A1
SATOLEX Tubomi DH298-A1 【ハイレゾ対応イヤホン】 | イヤホン・ヘッドホン専門店e☆イヤホン

茶楽音人(さらうんど) Co-Donguri雫
【生産終了品】茶楽音人(さらうんど) Co-Donguri雫(SHIZUKU) Smoky Gold 【ハイレゾ対応】 | イヤホン・ヘッドホン専門店e☆イヤホン

maxell MXH-DD600
http://www.e-earphone.jp/shop/shopdetail.html?brandcode=001083000002&search=MXH-DD600&sort=recommend

maxell以外はなんとハイレゾ対応イヤホン!

5,000円台以下なのに?ハイレゾ対応ならば、それなりに腕に自信があると言うことだろうな?とかなりの期待感と裏切ったらただでは返さないぞというギラリズムで試聴に臨んだ次第。

さて、その結果やいかに。意外と驚くと思いますよ。冗談抜きに。「ハイレゾ対応ってどう言うことなんだろう?」と考えちゃいますよ、絶対。

以下、試聴した順に掲載。送り出しはSONY NW-ZX100から直差しです。

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◆山下達郎「Kissからはじまるミステリー」(FLAC)

Tsubomi
低域だけが取り柄。ボーカルも低域に埋もれている。手軽に低音が欲しいときには、それなりに結構いいイヤホンであるのかもしれない。ただし、低音過多の音源との相性は悪い方向に行きそうな気がする。


スコンと抜けた音という印象。やっとスネアの音が鳴っている事に気付いた。中域に特徴あり、か。ボーカルは楽しめる。音の詰まった音源で意外とボーカルを聞かせてくれそうな気がする。

マクセル
音場がいきなり広がった感覚。これが一番真っ当な音だと感じられる。どの楽器もそつなく鳴っていて、どれも上手く聞き取れる。音作りが上手い印象。ただ、一方で音に力が欠けるようにも感じられてしまうかもしれない。


◆fripSide「only my railgun」(FLAC)

Tsubomi
低音過多。もう、予想通り。低音が全て。そのせいで、全体的にノイジーに聞こえる。辛うじてシンバルが聞こえるのは、ドンシャリの証拠?いや、それにしたって酷い。


痛い!中高域が突き刺さる!ボーカルが耳をさす!ジャリジャリやかましい!こりゃひどい。何も良いところがない。

マクセル
音が少し遠いか?中抜けしているようにも聞こえる。他の2つよりは確実にバランス良く鳴っているし、どの楽器も聞き取れるのだが。やはり音が一つ向こう側で鳴っている印象。


◆Dreams Come True「LOVETIDE」(FLAC)(2016リマスタ音源)
Tsubomi
低域が割れた!出過ぎ!ただ、出過ぎの割には沈み込むので、ボーカルや高域の上ものは案外と聞き取れる。これは凶悪な低音。ある意味酷い。


これも低域が割れている。それに引きずられたか、ホーンセクションも割れてしまっている。そのせいで、全体的にノイジーな印象に。やっぱりやかましい。耳に良くない音がする!

マクセル
とても優等生。低域もベースとバスドラがしっかり分離して聞こえる。鳴るべき音は全部鳴っているが、やかましさはない。これが、一番真っ当なイヤホンの音なのだろう。


◆平井堅「She is!」(FLAC)
Tsubomi
あれ?普通。ボーカルがややマスクされている印象は受けるけれども、低音過多でもない。シンベがギリギリ音が割れる直前で踏ん張っている感はあるけれども、割れるところまでは行かない。上ものの高域もしっかり鳴っている。もしかして、これが正統派のドンシャリイヤホンなのか?


やはり、中高域寄りにエネルギーがある。でも、細かい音を鳴らすのがもしかしたら上手いのかもしれないと、印象が変わった。耳に刺さる傾向は変わらないけれども、何が鳴っているかはつかみやすい。

マクセル
やはり優等生。さっき感じた中抜け感は、単に音場がまともになっているだけと気が付く。他の2つがかなり濃いキャラなので、余計にそう感じてしまうのかもしれない。


◆PAT METHENY GROUP「Here to stay」(FLAC)
Tsubomi
意外や意外。セミアコと思われるギターの音が結構ふくよかに感じられ、全体的にウォームな響き。確かに低域は多いけれども、ベースの伸びが生きてくる。


ギターの歯切れがいきなり良くなって、細かな数多い楽器の音も明解に。低域の伸びも自然。ギターが主張をするもののうるさくならず、実にアコースティックな伸びと響き。全体的に明瞭。これは好印象。

マクセル
バックの音が全体的に引っ込んで、ギター中心の音に。これが意外な音の寂しさに繋がっている。何かが物足りない。確かにギターを聴きたければこれで事は足りるけれども、何かが惜しい。


◆Perfume「NIGHT FLIGHT」(FLAC)
Tsubomi
特徴的なシンベの鳴りがまともなのが意外。スネアのスピード感はそれほどではないものの、全体的に骨太のサウンドを聴かせてくれる。音割れをある意味覚悟していたが、良い意味で裏切られた。


この曲独特のアタック感が上手く再生されている。ドラム系の音が非常にプラスティック質で正解。懸念していた耳に突き刺さる感覚もなく、非常にソリッド。これも別の意味で裏切られた。

マクセル
音が一通り鳴っているのは分かるのだけれども、刺激成分が減少傾向。マイルドな音にしてしまっている。最も中庸な音作りに聞こえる。

訳がわからなくなったので念のためSHURE SE425
やはりこの曲のキモはプラスティック感であることを再確認。3つの中で一番この曲に合っていたのは雫だった!

うーむ、奥が深い。PAT METHENY GROUPといい、Perfumeといい、マクセルが常に正解とは限らない。


◆PSY・S「Angel Night」(FLAC)
Tsubomi
酷い!悪質なバスブースト。ベースの音が全てをマスキングしている。低音モコモコ。ボーカルもはっきりしない。決定的に相性が悪い!


ベースのピッキングのアタックははっきりしていて濃厚。そしてボーカルが少々耳に刺さるが明瞭。このツートップで音が形成されている。ストリングスは伸びやか。この曲には合う音作りという印象。

マクセル
他と比べるとベースとボーカル以外の音が鳴ってきた。ギターも存在感をハッキリさせてきた。ボーカルも耳に突き刺さらない程度の音量感。他と比較すると明らかにウェルバランス。


◆RED HOT CHILI PEPPERS「Around The World」(ハイレゾ 96/24)
Tsubomi
ふつー。
元々これ以上ないほどにタイトなリズムセクションなので、低域で余計な音が鳴る余裕もないからだと思われる。


雫が暴れやすいタイプの音源かな。リズム隊がプラスティッキーになり、ギターがいきなり前面に出てきて、かなりやかましくなる。シンセの音はきれいに入るが、全体的に比較的刺さる音。

マクセル
どの楽器もがっつりと鳴るので一番自然に聴ける。これはマクセルの圧勝。


◆MISIA「真夜中のHIDE-AND-SEEK」(ハイレゾ 88.2/24)
Tsubomi
なんだかよく分からない音の作り。音が平板化してしまっている。実につまらない。


生音中心のストリングス&ホーンセクション&パーカッションが実に生き生きと鳴る。ボーカルも暴れずに安定。これは気持ちよく、アクセントある楽曲として聴かせてくれる。

マクセル
こどんぐりから刺激成分を引いて、マイルドにした感覚。これもバランス良く鳴っている。そつなく鳴らしている。パーカッションの定位が秀逸。


◆Michael Jackson「Don't Stop 'Til You Get Enough」(ハイレゾ 96/24)
Tsubomi
実に自然に鳴る。十分にパーカッシブ、かつ、煌びやか。低域が暴れる事もない。意外すぎて拍子抜け。


煌びやかさを高音方向に振って、更にキラキラ感を加えた感じ。意外とうるさくない。

マクセル
恐ろしいくらいに普通。この普通さが、逆に強みなのだろうなと思った次第。

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と、以上が今回の試聴の結果。ハイレゾ対応イヤホンの暴れん坊っぷりが見事としか言いようのない結果に。

確かに相性のいい音源と出逢えれば、その実力は発揮出来るのだけれども、オールラウンダーとして使うにはかなり心許ない。参考までに上述にレビューの載っているeイヤホンのURLを掲載したけれども、そこに掲載されているレビューの内容と上手く比較して、イヤホン選びの一環としてもらえれば、僕の暇つぶしの時間も報われるので幸い。

以上!