1976年作品。…本当か、これ?
筒美京平のアレンジ術が手に取るように分かる、何とも興味深い1枚。生楽器をふんだんに使用して、ゴージャスなインストサウンドを構成している。録音も非常に凝っていて、楽器の定位が面白いことこの上ない。
ライナーによるとレコーディングには相当気を遣ったらしく、その効果が実に見事に発揮されている。オーディオリファレンスとしての側面も持った音源であると言うこともあり、聴いていて耳に楽しい録音と演奏の工夫がこの上なくたまらない。
今だからこそ何チャンネルでも重ねられる録音技術があるが、これが1976年の作品であると言うことを鑑みると、よくぞ16トラックでここまでリッチなサウンドを展開させることが出来たものだと、感心することしきり。そこがアレンジ術とレコーディング技術とがしっかりと手を取り合った結果なのだろうなと。
まぁ、小難しいことはどうでもいいんだよ。この音世界にどっぷりと浸かって純粋に楽しめる1枚と言うことで。