音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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REFLECTION {Naked} / Mr.Children (2015 Hi-Res 96/24)

そうです。ついにこの日がやって来ました。「もし9,720円も払って、駄作中の駄作に終わってしまったら、きっと自分はもう立ち直れないだろう」と思いつつも、Mr.Childrenのハイレゾ音源という話題性と期待感に胸を躍らせながら今日のこの日を待っていたのです。

さて、ざくっとインプレッションを。主にTwitterに箇条書きにしたものの再編集であります。

これは邦楽売れ線ロック&ポップスのハイレゾ音源としてはかなり上々の出来ではありませんこと?第一印象は「音の分離が素晴らしい!」ということだった。そしてその分離が良いものだから、ボーカルも各楽器も非常にリアルに鳴ってくれる。最初の数曲を聴いただけでも、僕が苦手としてきたストリングスまみれの近年ミスチルとは大きく舵を切って、バンドサウンド中心に回帰していることもそう感じさせる要因かも。

とにかく桜井和寿の声がリアルすぎて軽くびびる。これはハイレゾでリリースすることを前提でレコーディングされたんじゃないかな?憶測に過ぎないけれども。「ハイレゾならここまで出来る」ということを考えながら録音したように感じられるのだけれども。その点、どうなんだろう。そしてギターの音がなによりもブリリアントでよろしい。「ああ、ミスチルってバンドだったんだよなぁ」と言う当たり前のことを再認識させてくれる印象。ちょっと、これ、かなりいいんじゃないのか?

で、ハイレゾを意識したのでは?と思ったのは事実だけれども、それは空間を拡げる方向のハイレゾサウンドではなく、中心にエネルギー帯域を凝縮させながらも楽器を分離させる方向性の録音。コンテンポラリーロックには向いている録音ではないかと。メーターを見ていても、1dBほど余裕を残して録音をしているような動きをしている。音としてはエネルギーの塊なのだけれども、無理に突っ込みまくっていない。うむ。ハイレゾ音源としてもこれは面白い。邦楽のハイレゾの傾向を変える布石になるのでは?とまで思わせますよ。

で、これが胆なのだけれど、ストリングスが入ろうがブラスが入ろうが、バンドの演奏を邪魔していない!どうした小林武史!改心したか!23曲もあるとさすがにダレるだろうと思ったけれども、これがなかなか飽きさせない。バンドとしてのMr.Childrenに回帰したという印象が強いからか。とにかく骨太。それは音質の傾向からも起因しているかもしれない。Mr.Childrenがここに戻ってきて、かつパワフルなバンドとして印象づけるまで、一体何年かかったんだ。随分と遠回りしてきたな。

さて、結局まさかの23曲一気聴き。絶対に途中で止めると思ったのに。本当に今作はバンドサウンドへの回帰ですよ。こういうMr.Childrenを聴きたかったんだよ、僕は!うん。確かにイニシャルコストは高かったけれども、その価値はあった。そのコストも回収がほぼ約束されたので言うことなし。実はもうドナドナしているのです。パッケージには興味はもう無く、ハイレゾ音源だけが欲しかったので。

それにしてもMr.Children『REFLECTION {Naked}』恐るべし…。ボリュームこそ超高カロリーだけれども、一気に聴かせる。Mr.Childrenは見事にカムバックして、そして一気にバンドとしての骨を太くしてまた再び目の前に現われた。諸手を挙げて万歳ですよ。万歳。