音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

ALL TIME BEST / 尾崎豊 (2013 ハイレゾ Amazon Music HD)

改めて尾崎豊なるものを聴き直してみると、「この時代のSONY」としか言いようがないのだよな。CBSかEpicかの違いはあれど、SONYはSONYだよなぁ、と。

若者に対して、時代に尖ったロックを提供することに長けていた時代のSONYとでも言えばいいかな。反体制プロバイダ、半径3mラヴソングのプロバイダ。そんな感じ。

極論すると、尾崎豊楽曲をこう言ったパッケージで聴けば聴くほどに、渡辺美里と佐野元春の匂いがプンプン漂ってきて仕方ないのでありますよ。ま、それは時代なので致し方ない。

何かに刃向かおうとする勢いはTHE BLUE HEARTSあたりに共通するものがあるのだろうけれども、THE BLUE HEARTSがもっともっと低い位置からの反体制であるならば、尾崎豊にはインテリからの脱却といった意味合いでの反体制の匂いが漂ってくるのですよ。インテリ視線のアジテーションと言ったら怒られます?

多分それは、ラヴソングがあまりにもセンチメンタルで出来過ぎだからこその、「なんだ、結局そう言うことじゃないか」というシラけた感覚を自分が覚えたからなのかもしれないけど。

いや、本当に出来過ぎですよ、これ。アレンジからしてドラマティックであることが計算し尽くされたラヴソング。

その様な人物が反体制を歌い上げたとしても、それは結局自分自身を愛する、自分自身の手が届く範囲だけを愛することに集約されてしまうように感じられることは否定出来ないんじゃないかな。