非常に滑らかな演奏。骨太なブルックナーを期待すると肩すかしを食らうかもしれないけれども、自分としてはこの流れるような感覚は好ましく思えた次第。
ところで、ブルックナーの稿について今まで全く意識することなく聴いていたのだけれども、この第1稿とされているヴァージョンを聴いてみると、驚くほどにこの作品の印象が異なってしまった。途中から脱線しているように思えて困惑するのと同時に、全く初めて聴く作品に接しているかのような違和感。でも作品としての動きは確かにブルックナーの第4番。
言い換えると、まだつかみ所が見つからずにやや手探りで聴いていたと思いこんでいたブルックナーであっても、自分なりのポイントは何かしら持って聴いていたのだと確認させられた次第。
少し安堵するに至りました。