自分にとっては問題作となった、このシューマン第4番。
緩急の付け方が尋常ではないような気がするのだけれども、「あれ?他の4番もこんな感じだったっけ?」と記憶が塗り替えられそうな雰囲気なのですよ。
端的に言えばドラマティック。極端に言えば荒波に揺られる船に乗せられているかのような。ツルッと滑っていかないのですよね。聴かせどころ満載で、その箇所ごとに工夫を凝らしたかのような演奏を持ってきている。
シューマンが面白いことになってしまいました。「好き好きシューマン」などと、お気楽極楽脳天気に書いている場合じゃないですよ、これは。
頭の悪い表現をするならば「ヤバい」。稿の違いでここまで違うものかと。
そう考えると、自分はまだまだ稿の違いが分からない男だから、ブルックナーなんて聴いている場合じゃないのかもしれないな。いや、そんなことはないのだが。