思い出した頃に聴く陰陽座。かつてまとめて一気にレンタルした音源群ですな。放っておくとどこから聴き進めてよいものか分からなくなってくるので、コンセプトアルバムであると言うことを指標にして聴いてみた次第。
これがまた格好よいんだ。得も言われぬ圧倒感。ツインボーカルがこれまで聴いてきたどの陰陽座作品寄りもガチでハマっている。ツインボーカルである意味に説得力を持っている。
それにしても息もつかせぬ怒濤の展開と牽引力。長尺なアルバムだと言うのに、これが立ち止まることなく一気に聴けた。ドラマティックですよ、作風も演奏も。歌詞の内容的にもこの作品をコンセプチュアルにさせているものがあるようなのだけれども、それはここでは割愛。もちろんそこも作品を作品たらしめている重要な要素ですがね。
和メタルはこれくらい土着的な日本の架空文化、風俗伝承のようなものに根ざしたコンセプトを打ち立ててしまった方がよいのだ。
そのようなことを考えた直後に「今後他のバンドはこの手のコンセプトアルバムを作ることはそうそう容易ではないな」と言った、ぺんぺん草も生えない領域を開拓してしまった作品だと思うに至った次第。前述の文化、構築した世界観の奥行きが実に広く深い。
この作品が陰陽座10作目にしてリリースから早13年なのですか。やっぱりこのバンドには得体の知れない面白さがある。一気に聴こうとは決して思わないのだけれどもDAPに全てのアルバムを放り込んであり、それを長らく聴かないからと言って削除することもなく今に至る理由はそこなのだろうな。
実に満足。また欲しくなったときに求めます。