音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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MIDNIGHT DRIVIN' -KUZUYA YOKO MUSIC GREETINGS 1999〜2021- / 葛谷葉子 (2021 44.1/16 Amazon Music Unlimited)

最新作であそこまでどハマりしたならば、過去の音源も聴くしかないでしょう。

と言うことで、その最新作がリリースされるのを受けて発売されたベスト盤。過去のシングルとこのアルバムのために書き下ろされた2曲を含むリマスタ盤。

ああ、そうか。この当時の女性R&Bは、宇多田ヒカルの出現で突如として盛り上がると同時に、何かしらの個性的なフックがないと目立つことが出来なかった時代だ。

従って本当に音楽性だけで勝負しての、かつ、やや個性に欠ける(平凡というわけでは決してない)シンガーではなかなか表舞台には出てこられなかったという事情があるな。当時のことを思い出してきた。

松尾潔をプロデューサーに据えてのクリエイションとのことで、トラックは本当にあの当時の最先端の格好よさを持っているのだけれども、これをあの当時に聴いていたとしても「特徴がないよね」で済ませていたかもしれないのです。ましてや自分の耳も音楽的経験値も二十数年前のそれですから。

今だからこそ楽しめるこの作風。あの当時にリアルタイムで接していなかったシンガーだからこそ、今に存分味わえるこの醍醐味。本気でR&Bに取り組んでいたからこそなのだろう、決して今でも風化しきっていないセンスのよさを感じさせます。

取りあえずですね、ドライブしたいです。葛谷葉子を流しながら車を転がしたい。カーステレオオリエンテッドな作品集。そうだね、タイトルもそのものズバリ『MIDNIGHT DRIVIN'』だものね。

MIDNIGHT DRIVIN' -KUZUYA YOKO MUSIC GREETINGS 1999〜2021-