音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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ダブル・ファンタジー / 村山由佳 (2011 文庫)

村山由佳の性愛物と聞いて『BAD KIDS』での瑞々しさとしなやかさとを兼ね備えた青春ドラマを期待してしまったのだが、こちらは中年女性の飽くなき性欲に対する思いを書き掘り下げた作品になっており、その点で若干のげんなり度が発生してしまった。読後のカタルシスが得られるわけでもなく、ただ、複数の男性の間で自分にとっての都合のよい性探し(自分探し)を行い続けるという設定。同世代の女性に向けて書かれたというのであれば、読者としての自分はお門違いということになるので何もかもやむを得ないといったところか。自分と同世代の女性が手に取る作品だということで、ここは一つ。