音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

当コンテンツではアフィリエイト広告を利用しています

不思議 / 中森明菜 (1986/2006)

去年一斉発売された中森明菜作品のSACD化の波に乗り遅れ、今となっては手の届かない価格で取引されているという状況で、それでもamazonのマーケットプレイスやヤフオクなどを時折眺めてはため息をつくというのが現状。

ふと思い立ってTSUTAYAディスカスで検索してみれば、この時、同時リリースされたボックスセットがばら売りレンタルされているじゃないか!

ということで、欲しかった『BEST』と『BESTⅡ』をレンタル。オマケで『D404ME』がついてくる(その分、金は取られるのだが)。迷わずレンタル。1ヶ月間しか借りられないけれども、その期間でSACD音質をたっぷりと堪能してやろうじゃないか。CD層はリッピングしてiTunesに放り込む。中森明菜のシングルは98年にリリースされたベスト盤での音源が自分が持っている最後の音源なので、きっと今回はいいリマスタがされているだろうと期待して。

で、その流れでiTunesを見ていたらこのアルバムが目についたので再生。以前も同じようなことを書いていたけれども、このアルバムが中森明菜名義ではなく匿名扱いだったら、当時としては相当な奇盤として扱われたのではないか?アイドルだったから不当な評価を得ることもあったのではないか?などと思った次第。

とにもかくにも「シングル曲が1曲も入っていない!」だとか「冒険的な歌ばっかりで、全然歌えない!」などという事象に対しては、中森明菜全盛期のファンだったことである程度免疫が出来ているので、むしろ喜ばしいことだとして受け止めている。その一端がこのアルバム。多分、今、初めてこのアルバムに接する人がいたとしても「これ、何年の作品?」と気にしてもらえるくらいに、時間を超越してしまった異様な作品として受け止められるのではないかという気がしている。久しぶりに爆音で聴いたら、簡単にトリップしてしまった。

こんなに(アイドルとしては)異様なアレンジを全編に施した作品をチャート1位に送り込むって、一体、どれだけこの人の当時のアーティストパワーが凄まじかったのか。アイドルというのは、そんなに簡単な定義で求められる答えではないよ。PPPHだけで片付けようとしたら痛い目に遭うぜ。