音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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D-Formation / 茅原実里 (2012/2014) Hi-Res

4,320円という値段に迷いに迷い、全体的にハイエナジーになっていると言うことと、マスタリングの段階で相当に細かなエンジニアリングを行ったという文章を読んで「これで裏切れたら、もうハイレゾには手を出さないぞ」と不退転の覚悟でダウンロード。

部屋を閉め切り、ボリュームを上げ、とにかくパワーを感じられるような環境をしっかりと作って再生。結果、素晴らしい。とにかくハイエナジー。茅原実里の声を大前面に据えて存在感を与え、トラックにはボーカルの邪魔にならない程度のエネルギー感を与え、そのためにハイエナジーの割にはバランスを崩さずに音を思い切り出しているという印象。むしろ音が足りないくらいに感じることも少々あるくらいのエナジー感。

特にtr.10「朧月夜」でのストリングスは、オリジナル音源との比較で、出だしの楽器の厚みからして異なる世界の音が出てくる。

なるほど数多あるランティス作品の中から、堂々とハイレゾ対応を謳っただけあってか、(ランティスの割には)価格もアルバム1枚で4,000円台に抑えられ、買い手の抵抗を少しでも減らした甲斐があったというもの(無論、それでも十分に高いのだが)。ただし、ここまで手が込んだマスタリングと音のブラッシュアップならば、その価値は十分にある。少々懐疑的になっていたハイレゾ音源の持つキャパシティの使い方に関しては、十分に方法論として新しいものを提示されたように思える。まだまだハイレゾには十分なポテンシャルがあることを提示されたような1枚。声優ソングでもハイレゾは十分に有効である。以上。