音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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バッハ:無伴奏チェロ組曲 / ビルスマ (1979/2019 SACD)

本日の朝一に。

バッハの無伴奏チェロは数枚持っているのだけれども、それぞれ特徴の違った演奏家によるものなので、そこに新たに加わったビルスマの演奏もまた特徴的で面白い。

深く弓を斬り込むように第一音を鳴らし響かせ、その余韻が残るままに次の音を繰り出したかと思えば、一音一音を慈しむかのように、しかし決して流れだけには委ねないそのコントロール加減が、聴き手にこの曲が陥りがちな飽きを一切感じさせない。

速度と強弱。そのどちらも考え抜かれて演奏されていることがよく分かる、心地よい響き。このような出逢いがあるからこそ、バッハの無伴奏チェロは止められない。

家族がまだ寝静まっている未明だからこそ、じっくりと堪能出来るチェロの響き。1ヶ月近くかっ飛ばした時間をいたわるかのように、耳にその音が滑り込むのであります。