ジャン・ロンドーもいいけど、トン・コープマンもお忘れなく。
こちらは研究家としての側面もふんだんに感じさせる、実に「渋い」演奏。有名な曲は何一つとして収録されてはいないけれども、逆にそれがチェンバロの魅力を雑味なく堅実に伝えてくれる。
チェンバロの魅力を語るには、まだ自分は若葉マークが外れなさすぎるのが歯痒いところ。ピアノに比較するとややヒステリックにも聞こえてしまうその金属質な音を、魅力的なものとして捉えられるようになれば、この楽器そのもののバリエーションの多さと、楽曲の渋さとの両方が同時に見えてくるはず。
それが魅力に繋がっていると言えるかな。
コープマンを分け入って聴き進んで行ったら、このようなところまでたどり着いてしまいましたよ。