先日、たまたま居間のテレビで流れていたNHKの『COVERS』を観ていたら、宮本浩次が「First Love」を歌っていたのですよね。
そこで久しぶりにこのアルバムの存在を思い出したのです。しっかり聴いてみようと思い、CDをレンタル。聴きました。
大まかな印象は1年前に聴いた時と変わらないのだけれども、新たに何かを語るとすれば「これは宮本浩次流の、自らの声に対する挑戦なのだろうか」と。
女性シンガーの楽曲を歌うことで、自ずとハイトーンが求められる中で、その是非を問うているように感じられたのだよね。
その結果が、これも1年前に受けた印象だけれども、「中年のオッサンが頑張ってカラオケで原曲キーで歌っている様」と受け取ることが出来ると同時に、「パブリックイメージを壊しにかかっている、実に中年魂あふれる、ソフトな女性心をオブラートに包んで歌ったアルバム」と取ることも出来るのだな、と。
この年齢だからこそ見えてくる女心を、不器用なりに歌い上げている様が味わい深いと思えるようになったのですよ。
それは聴き手である自分がここ数年で一気に感覚的に年老いたこととリンクをしているのかもしれないけれども、その深い味わいがなかなかに迫り来る何かとして自分の中に入っているものなのだな、と。