荻野目洋子のSA-CDなど笑止千万などと思っていた瞬間もありました。
買ってみた。聴いてみた。
1986年に聴いていた音と2022年に聴いた音とでは次元が異なる。アナログマスターからのDSDマスタリングとリマスタを施してのSA-CDを聴くと、当時のCD録音、記録の技術では追い切れなかった、追い込めなかった情報量が相当あったのだと気付かされた次第。
音のバランスは今風に整えられているけれども、それは褐色化した音源を今に生き返らせるために必要であった方策。それよりも何よりも、あの当時にとにかくひたすら聴いていた音源が、今も呼吸をしていることに感動する方が勝るわけでして。
ステレオサウンドのSA-CD化作品はこれまで何作か聴いてきたけれども、感動の度合いが最も高い作品となりました。それはもちろん、聴き手である自分の思い入れの度合いが高かったことに比例している事実は否定しませんが。
これはよい品だ…。笑止千万していたのは誰だ。