柔和でふくよかなシューマン。メルニコフという人の演奏をこれまで過小評価しておりました。表情の幅が広く、聴き心地のよい演奏ではないですか。
これまで自分が聴いていたシューマンのピアノ協奏曲は、どこかストイックでソリッドな演奏が多かったのだと、今になって気付かされました。
おそらくこの演奏はスポーティである、とか、筋肉質である、と言った自分内評価とは離れているものであろうけれども、それもまた改めてよいものである、と実感しましたね。
この演奏が近年のものであることも、楽曲が持つ表情の豊かさを引き出していることに影響しているのかもしれないなとも思い至った次第であります。