音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 / クリスチャン・ツィメルマン, レナード・バーンスタイン, ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 (1992/2016 44.1/16)

なんとも多幸感あふれるベートーヴェンであることよ。ピアノもオーケストラも澱みのない幸せを歌い上げている。

バーンスタインのカラーがそうさせているのか、ツィメルマンのピアノがあまりにも美しくかつ力強く、そのアンビバレンツな両端を取りながらも鳴り渡るからなのか。

もちろんその両者の相乗効果があり、そのことがオーケストラの朗々たる、それでいて柔和な雰囲気を導き出しているのでしょう。

まさに馥郁と言う表現がふさわしい演奏かと。

そして、それらの記録媒体であるところから引き出される音が、これまたこの時代のデジタル録音であると感じさせないふくよかさで鳴るのですよ。それも音量を頑張り過ぎずに、しっかりと耳に届いているのです。

これが、今まで使っていたESOTERICが邪魔をしていた要素なのですよね。オーディオのお師匠様が言っていた「ESOTERICはパワーに欠ける」ことをこのような形で証明してしまったと。大音量再生主義者でもないとESOTERICのオーナーで居続けることは厳しかったのだな。

Accuphaseの持つ音の個性が自分の好みであることもまた、ここに証明しているのです。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」