音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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ラフマニノフ:交響曲第2番 / ロリン・マゼール, ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 (1983/2014 44.1/16)

これまでにラフマニノフの交響曲を聴いた回数は極めて少ないはず。ピアノ協奏曲ばかりを聴いておりましたゆえ。

そこでなんとなく聴いてみたのです。この作品の録音はこれしか手元になかった。でもロリン・マゼールとベルリン・フィルです。やや古くはありますが、戦いを挑むには十分な相手ではありませんか。

と言うことで聴きましたよ。これまたずいぶんと舞踏会ライクな作品ですね。

緩急のつけ具合を明確にする場面転換のめまぐるしさ、勇ましさを感じさせるようなスコアのパーツ、随所における楽器編成の妙、打楽器の効果的な使い方、管楽器の歌いっぷり、弦楽器のシャープさなどがそう思わせたのかもしれません。キビキビした雰囲気を与えているのは、マゼールの振りっぷりならではなのかしら。

第三楽章、アダージョもメロウかつドラマティック。一歩間違うと眠かったりナヨッとし過ぎてしまいそうな音の運びをすんでの所で流麗に保っているのは、やはりマゼールならではの機敏なコントロールによるものなのかもしれません。

最終楽章は一気に駆け抜けていくイメージ。とにかく踊る。華麗に踊る。クルクルと回る。よく見ると指示がシンプルにアレグロ・ヴィヴァーチェだけですからね。流れを先回りして読み取りやすい構成も聴いていて楽しい。そして迎える大団円。カタルシス十分。

総じて闊達かつ痛快な印象。気に入った!これは一発で好きになれるタイプの作品ですね。

録音が古いためか出音がややエッジィに感じられたので、もう少し現代寄りの他の演奏や解釈も聴いてみたいですね。

Rachmaninov: Symphonies/Piano