あ、これ、よい。とてもよい。ギターの弾き語りが中心のカヴァーアルバム。
愁いがありながらも抱擁力も感じさせる歌声と、シンプルなアレンジ。メジャーどころのカヴァーも暖かさと寂寥感の両立する歌声で魅せてくれるのだけれども、これまで聴いたことがなかった楽曲にこそこの特徴を見出すことが出来る。
選曲の妙もさることながら、フォーキーなたたずまいで切なく歌われる楽曲たちに、新しくも懐かしい息吹を吹き込んでいる。何よりも慈しみにあふれる感覚が、心に優しさと安らぎを運んできてくれるかのよう。
アルバムのタイトルが安上がりなジャズインストアルバムをほうふつさせるものなので、実のところそれほど期待はせずに聴いてみたのだけれども、これは掘り出し物的に愛聴できそうな。