音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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SCIENCE FICTION / 宇多田ヒカル (2024 96/24)

つい最近きら星のごとく現れたと思っていた宇多田ヒカルももう25年選手。リリーススパンが長いことから、そのキャリアの割には楽曲数を稼いでいるわけではないけれども、その分だけ楽曲毎の重さ、密度の高さには凄まじいものがあって。

それが故にこれまでは好きであっても積極的に日常的に聴くことが出来なかったのだけれども、このベストアルバムは別格。25年間を120分程度に凝縮しているのにもかかわらず、どの曲にも新鮮な思いで、そして軽やかな気分で接することが出来る。

以前にも書いたのだけれども、クオリティの高い新録、新ミックスが適度に配置されていることで、単なる過去の曲の羅列に陥らず、今と昔を心地よく繋げている。そのことが、この大ボリュームでも聴きやすいことに繋がっているのだろうと。ベストアルバムという作品として仕上げられているとでもいえばよいかな。あちこちに「聴き流させない」フックが仕掛けられている。「おっ?」と思わせる瞬間が多数存在するのだよね。

新たに発見するものであったり再確認するものであったりするのだけれども、楽曲が持つ様々な表情にあちこちから光が当てられて、多角的な再発見に結びついており、それが飽きずに最後までしっかりと聴かせてくれるのだろうと。

そして楽曲を時代に風化させない宇多田ヒカルの作曲スキルとクオリティの高さにも改めて感服させられる。あの曲もこの曲もどれもこれも、純粋に「かっこいい」と思いながら聴けるのだよね。楽曲に宿るエモーションが熱量を失わずに今に至る。

しかし感想の情報量も多すぎて、何をどのように書いていいのかすら分からなくなるな。だんだんとっ散らかってきた。

ま、いいや。焦らずゆっくり時間をかけてこの素晴らしいギフトを聴いていこう。

SCIENCE FICTION (通常盤) (特典なし)