音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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朝の顛末

元はと言えば、昨晩タワーレコードから届いた一通のメールがきっかけだった。予約していたBABYMETALの1stアルバムが近くのコンビニに翌朝7時に入荷するという。

たぎった。その瞬間たぎった。朝7時。5時半起きの自分にとっては全く問題のない時間。むしろ朝食の10分前。コンビニまでは自転車で30秒の距離。7時購入、7時10分食事と同時にエンコード開始、7時10分MP3タグの編集、7時15分iPodへの転送完了。完璧なソリューションじゃないか。これはやらざるを得ない。朝の7時にCDを買いに、それもアイドルのだ!、店に走るなどという経験はきっと後にも先にもそうあることではない。「やるしかない」そう誓って、万が一にも寝坊などという失態を起こさないよう、夜更かしすることなく眠りに就いた。

目覚めれば5時半。この時点で作戦は成功したも同然。のんびりと朝の支度を済ませ、7時になるまで既発シングル曲を聴いて待つ。6時55分。もう我慢できない。伝票と財布を持ち、厚手のジャケットを羽織り店へ。CDは逃げていかない。急がず慌てず。店に着く。6時58分。

待てよ?わざわざ「7時に入荷」と指定しているのは、POSに通るのが7時ということではないか?それよりも前にフライングしては面倒なことになるのではないのか?

ふとそう思い、読みたくもない雑誌を手に取りぱらぱらとめくる。腕時計は6時59分。あと1分。幸いなことに他に客もいない。時計の針が7時を指すと同時にすたすたとレジに向かう。伝票を通すバーコードリーダー。Yes、成功。この上ない幸せを噛みしめながら代金を払い、店を出ると、7時を待っていたかのように客がわらわらと集まり始めていた。I'm a winner。ミッションコンプリート。

そうして待ちに待ったCDを手に入れた僕は、朝のうちにiPodへの転送も済ませ、職場への往路でその音楽を聴いた。地下鉄では全く功を奏することのないチープな代用イヤホン。音楽は一割も聞き取れなかった。それもまたありだ。そんな朝の顛末。不惑の朝。