音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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ULTRA BLUE / 宇多田ヒカル (2006)

引き続いては宇多田ヒカルのこの作品を爆音で。

あまりにも暇だったので、Facebookにこんなことを書いていた。

1999年(平成11年)の話(でもない)。

この年は東芝EMI(当時)にとってはとんでもない当たり年で、椎名林檎と宇多田ヒカルの1stアルバム『無罪モラトリアム』と『First Love』をリリースしている訳なのですが、僕は今でも、椎名林檎は1stで傑作を作ったが、宇多田ヒカルが傑作を作るには2006年の『ULTRA BLUE』まで待たなければならなかったと思っているのであります。

もちろん売上げ的には圧倒的に宇多田ヒカルが勝った訳ではありますが、個人的にはこの作品をそれほど良いアルバムだとも思っていなかったのです。「シングル曲は粒ぞろいだけれども、アルバムとしては散漫」という感想を実は今でも抱いております。

きっと椎名林檎のセルフプロデュース力と言いますか、自分のイメージ固めが上手かったからこそ、あの傑作アルバムが出来たのだろうし、宇多田ヒカルの場合は時代に作らされてしまったという弊害が、自分が持っている作品への過小評価に繋がっているのではないかと思うところはあります。

宇多田ヒカルがセルフプロデュースの力を発揮出来るようになったのが、アルバム『ULTRA BLUE』であって、そこには間違いなく「ようやく自分をさらけ出す局面がやって来た」と、してやったりの思いがあったはずなのです。そしてセールスはそれまでの数字からは大きく下回る訳ですが、それ以降の宇多田ヒカルこそが宇多田ヒカルだと、僕は個人的に信じて疑わないのであります。

椎名林檎はその後も第一線で音楽活動を続けますが、1stアルバムでのインパクトを超えるものを作ることが出来たかと言えば否となるだろうし、宇多田ヒカルは、結局、人間生活という名の半引退状態に入るわけであります。

ま、何が言いたかったわけではなく、「そういえば、林檎も宇多田も1999年組だったなぁ」とふと思い、爆音で『無罪モラトリアム』を再生しながら、つらつらとこのようなものを書いて、休肝日の暇つぶしにしただけの話でありました。

と、まぁ、こんな。