音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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Imaginary Day / PAT METHENY GROUP (1997 FLAC)

訃報はいつだって突然だ。

ライル・メイズがなくなったことを知り、まず最初に再生したのがこのアルバムだった。

PAT METHENY GROUPは1度だけライヴを観たことがある。それがこのアルバムのツアー。会場は中野サンプラザだった。

とにかく音が良かったこと、照明と演奏とのシンクロが見事だったこと、そして何よりもそのバンドアンサンブルが、世界の超一流の演奏を今まさに目にしているのだという興奮に包ませていた。

結局、PAT METHENY GROUPとしてライヴを観たのはそれが最初で最後。

自分もそれなりに歳を重ね、当然の事ながら、ミュージシャンも歳を重ねていく。そして訃報が飛び込んでくる。それからではもう生でその人の音に触れることは出来なくなる。

ライヴは一期一会であると言うことを、強く認識させられる年齢に自分もなってきたのだと言うこと。

今はただ、手元にある緻密に音が重ねられた記録物に耳を傾け、そして、哀悼の意を表しながら、彼が作り出していた音を拾うのみなのだ。

Imaginary Day