グルダを聴きながらまた眠りに落ちる午後。目を覚ますと16時半を回っていた。時計を見た瞬間に自分の中の殺伐とした何かが久しぶりに目を覚ました。
アイスコーヒーを淹れて、何の気もなくamazarashiを流す。殺伐とした自分に加速度をつけるかのように。
スピーカーから音を流すのを止め、イヤホンで続きを聴き始める。秋田ひろむの歌詞と声とがダイレクトに自分の感情の中へと入り、混沌と混濁を招く。
身体には力は入らない。目にばかり力が入る。今なら人でも殺せるかのような瞳の力を持っているように感じられ、それは錯覚でしかないとも感じる。
日はまだ沈まない。
秋田ひろむはまだ歌い続けている。自分の耳の中へ。脳を侵食するかのように。貪り喰らうかのように。
歌詞はやがてただの文字情報と化し、そこで歌われている何かが、ただの何かへと変貌していく。
自分が平静を取り戻せるのはいつだ。起床から1時間。まだ自分の中とこの部屋は殺伐で満ちている。そこに身体と心を埋め、腐敗から骨へと変わるのを待つ。じっと待つ。この部屋で待つ。何も変わらないこの部屋で待つ。