音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲 / ジャン・ロンドー (2021 96/24)

発売と同時に購入していたのだけれども、今まで通して聴くことが出来なかった。ようやく完走。

現代最高峰、もしくは俊英としてのチェンバリストだと思っているロンドー。

これまでも自分の中に一発でスッと入ってくる演奏を聴かせてくれてきたけれども、ここでのロンドーもゴルトベルクの看板に全く負けることなく、自由闊達な演奏で楽しませてくれる。

個人的にロンドーの演奏が素晴らしいと感じられる点は、チェンバロと言うマイナーな楽器を実に生き生きと、新しい風を吹き込むような、生命力ある音に変換して提示してくれるところ。

そしておそらくその若さから来るしなやかな創造力と探求心が、音に迷いや雑念を持ち込ませないところもまた魅力かと。

レオンハルトやコープマンによる解析的、もしくは情熱的なゴルトベルクも素敵なのだけれども、ロンドーの持つ瑞々しさはそれとはまた一線を画するもの。

いつかは来日公演を聴いてみたい演奏家であります。

Bach: Goldberg Variations