通算50枚目新作。
より明るく、より爽やかになりつつあるこの変則ユニット的バンドとして切り拓かれた活路が一層明確になっている。
トータルの質感は確かにT-SQUARE。それでありながら、ここへ来て明らかに新しい風が吹き込まれていることを実感させられる。
楽曲によって参加メンバーが異なり、それぞれの個性があらゆる角度から引き出されている作り。音や楽器の力関係が良好なバランスに保たれているためか、耳へと溶け込むスペードが速い。音楽として、聴き手に届けようとするその意図が明確とでも言えばよいか。
45年間の活動のうちその30年間を、距離を置いた時期もあったが、リアルタイムで聴いてきて、バンドが存続していること、この境地にまで達したことに感謝の念すらおぼえるほど。
聴き終えた後に自分の中に涼やかなものが残り、T-SQUAREの記念碑的作品として象徴的な作品を味わった満喫感が残された次第。