かつて手元に本作品のSACDディスクがあったのです。ディスクメディア処分の一環で既にドナドナしていたものなのですが、たまたまHDtracksを眺めたところPentatoneレーベルのハイレゾ音源が50%OFFのセールに遭遇。そのカタログの中にこれがありましたよ。
$8.99…
なにそれ。
あとは推して知るべし。
さて。
ヴィヴァルディとピアソラの『四季』を対比的に並べて演奏する試みの作品なのですが、二者の親和性が非常に高くて。
ヴィヴァルディのそれは「春」のイメージでとらえると極端に裏切られる作品なのですが、その映像を引き立てるかのごとくピアソラの存在が置かれていることが興味深いのですよね。二者の作品が交互に現れることによって、四季の対比もまたより明確に強く印象づけられる展開が耳を惹きつけるのです。
シュタインバッハーの演奏も硬軟自在に織り交ぜられており、最後まで全くダレることなく聴き通すことが出来ます。
改めて聴き直してみたところ、この方の演奏は自分の好みであると再認識させられました。「寄らば斬る」や「千客万来」のそれではなく、音楽を生き生きと、自分好みに堪能させてくれるものではないかと。
どうしてこれを手放したかな…と思いながらも、ディスクメディアは自分の部屋から一掃させるのだから、これも致し方ないと。今回のようにとんでもない破格で現れ、音源データとしてまた手元に戻ってくることもあるわけでしてね。