音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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シベリウス:交響曲第2番 / クラウス・マケラ, オスロ・フィルハーモニー管弦楽団 (2022 96/24)

マケラのシベ2を聴くのは実に初めてのこと。冒頭から透明感と温かみのある、そして背筋の伸びた演奏に感銘を受ける。

指揮者のノリにオケを乗せて率いるスタイルとは異なり、じっくりと真面目にスコアに取り組み、共に練り上げていくかのごとく音が進んで行く。もちろんそこで四角四面な演奏になることはなく、シベリウス作品としての複雑さ、編み込みの緻密さを音に反映させている様が頼もしい。

自分の中でどこか「2番はシベリウス作品の中でも、普通の交響曲」と思い込んでいた節があってこれまであまり聴いてこなかったのだけれども、この演奏に触れると、やはりシベリウスはシベリウスなのだと納得させられる説得力がある。どこをどう切り取れば、これが普通の交響曲だとするインプレッションが生まれるのかと。

シベリウス:交響曲全集