タワレコ限定『コープマン・ソロ・レコーディングス・オン・フィリップス』より。
ただでさえ歯切れの鋭いハープシーコードの音色が、切れ味鋭いコープマンの手にかかると、見事に古楽の枠を越えて、軽やかで聴き応えのある演奏に転じる好例。
多分に洩れずオルガニストないし指揮者としてのコープマンから入った自分としては、このようなハープシコード演奏家としてのコープマンを知ることが出来たのは僥倖とも言える。それだけタワーレコードが音源の発掘に力を入れていると言うことの証明でもあるのだけれども。
これらの演奏に至っては自分がまだ生まれて間もない頃のもの。その時代にこれだけフレッシュな演奏が記録されていたとはね、と感心することしきり。
ハープシコードの楽器による音の違いも楽しめる、なかなかに興味深い3枚組。まだDisc1しか聴いてないけれども、軽やかに心落ち着く、よいソナタであります。ピアノソナタよりも甘口ではなく、このビターな音色が本当にいいんだわ。