この企画ベストアルバムはおそらくリリースされた当時から手元にあるのだけれども、最後まで通して聴くことはあまりなかったような気がする。
今になって聴いてみると、全盛期後期のロックサウンドを積極的に取り入れたその路線は、当時のバンドブームや女性ロッカー(と表現したい)のそれを踏襲したものであったのだな、と気がつく。
色々な当時の女性ロッカーの美味しいところを取って、アイドルであることに対してアンチテーゼを訴えかけているように見えて、実のところはアイドルでもロックは可能であるだろうと実験の場に身を投じている(投じさせられた?)ことが手に取るように分かる。
それが出来たのもベースに本田美奈子の歌の上手さがあってのこと。とにかく上手い。上手いだけに器用にこなしてしまった感も否めないのはまた事実。
それでも十分に楽しんで聴くことが出来たので、それは今になってみると成功だったのではないかとね。
まぁ、リアルタイムで本田美奈子の変貌っぷりを見ていた自分には、もう違和感以外の何ものでもなかったのだけれども。まだ十代前半だったから、それは仕方がない。うむ。