2022 ラッカーマスターサウンドとしての新リリース作品。
これまで流通していたハイレゾ版やSA-CD音源と比較して明らかに分かるのが、その音の当たりのソフトさ。これまでのリマスタ音源が、ややハイ上がりの、時に耳に硬く響くものであったのが、おそらく本来の姿に近いであろうアナログライクなサウンドとして生まれ変わり、いや、先祖返りをして登場と言った感を強く受けた。
シングルとしてリリースされていた「少女A」までたどり着くと、その感覚は確信に変わり、かつてアナログ盤で聴いていたサウンドを呼び起こさせられるまろやかさを持ちつつも、PCMデジタルの音との融合が丁寧に図られている印象を持った。
総じて耳に優しく響き、それでいながらもリマスタのあざとさを感じさせない、実に良質な仕事をしてもらっている作品に、リリースから40年の時を経て仕上げられている。
そしてラッカーマスターサウンドとアナログレコーディング音源との相性の良さを、抜群に感じさせられる作りになっているのではないかと。