どの時代にも言えることなのかもしれないが、2020年代に入りまたしても邦楽市場の世代交代が急速に進んでいる感を受ける。
サウンド的に何かがドラスティックに変わったとは感じられないのだが、音楽を取り巻く環境のアップデートがとんでもない勢いを持って行われていることを痛感させられる。
SNSの普及以降やサブスク登場以降のシーンが大きく、かつ瞬時に華開くフェーズに入っていることは改めて自分が書き記すほどのことでもなく。
音楽の作り手、送り手の洗練されていく度合い、そのスピードがとてつもない次元に入っているのだろうと。
もしくはボカロ以降のサウンドメイキング術が成熟し表層化してすることでシーンは大きく変わっていたのだと、自分が気がつくのが遅かったのだろうとも。
最早パッケージになることを待っているような聴き方をしている時点で、自分はもう完全に「乗り遅れた」のだろうと。
そのようなことを、入手してから後ようやく聴くことの出来たこのアルバムに接してつらつらと。
音楽を作る根底にある何かは、そう大きく変わってはいないのだとの思いを抱いた。その一方でそれを聴き手に伝える技術が大きく進化したことで、よりダイレクトに、それを欲している人にリーチすることが可能になっているのだとね。
もしくはそのように説明付けない限り、自分を言い聞かせることの出来ない何か、ヒントのようなものがここにたっぷりと含まれているようにもね。
有り体に言えば、ここにある音楽は、音楽としてはコンサバなのよ。それでもこれだけ多くの人の元に届くことの理由付けが何か必要だったので、ここまでダラダラと書き殴ったわけで。
ザッツ・オール。