葬送行進曲が頭の中でグルグルと回り出して止まらなくなったのでこれを。エリアフ・インバルと東京都交響楽団とのコンビネーションで。
高校時代からの友人、マーラーマニア、が当時推しに推していたこの録音を八ヶ岳山荘で聴かせてもらい、最終楽章の勢いのすさまじさに度肝を抜かれたのはいつのことだったか。その場面、山荘の映像は今でも鮮明に思い出される。
今改めて聴いてみても、大迫力かつ緻密な演奏。重量級でありながらも音の見通しが極めてよく、マーラー5番を一つの建造物として捉えた際に、その構図、設計図、立面図が明確に浮かび上がって迫り来る。
言葉でこねくり回さなくとも、聴けば圧倒される熱量。それで十分ではないかと。
これがあったからこそ、今の自分があると言っても過言ではない。このクラシック音楽の沼に自ら転がり落ちた決定的な演奏。原点に立ち返ってみた次第。