とても久しぶりにこのアルバムと目が合った。聴いた。ミッチー、カッコいい。
見事なまでに及川光博印に染め上げている、究極のカヴァーアルバム。このボーカルスタイルが苦手であれば絶対に聴き通せないほどに、全編に渡ってこの濃い匂いとフェロモンがムンムン。ナルシズムとキャラ作りの応酬。相当にキツいです。
このフェロモンが醸し出すシャレの部分を受け入れられると、めくるめくミッチーの歌謡ワールドに虜にさせられること請け合い。個人的にはとてもアリなアルバムでありますね。選曲からしてちょっと行き過ぎですよ。行き過ぎで行き過ぎで困る。もう本当に困っちゃう。
だがその行き過ぎ感がトゥー・マッチで素敵過ぎる。20年前にここまで振り切った趣味のカヴァーアルバムを作り上げていることを、世間はもっと評価してあげていいはずだ。ソフィストケイトされたよそ行き顔のカヴァーアルバムだけがカヴァーアルバムではないよ!換骨奪胎の極みにまで持ち込めるのも、カヴァーアルバム制作の醍醐味のはずだよ!
だからどうしてこう言ったくさや的な傑作アルバムがことごとく世間では無視されるのかと小一時間…問い詰める必要もないな。世間は世間、私は私。私のものは私のもの、世間のものはどうでもいい。出来損ないのジャイアニズム。
お前ら、あと10年後にこのアルバムが再評価されても吠え面かくなよ!(酔っ払いのくだまき捨てゼリフ)