中島みゆき16th。
その後コンビを組み続けることになる瀬尾一三との邂逅、全曲編曲の1枚。
メロディが水を得た魚のように生き生きとアレンジの上で踊っている。アレンジに合わせた七変化なボーカリゼーションも一気にここからフルスロットル。
アレンジャーの存在一つでここまで印象が変わるのかと、とにかく驚きの作品。今の中島みゆきの原型を作ったのは実はこの作品なのではないかと思えるほど。
歌詞の世界も日常の観点から大きく羽ばたき、さらに高い位置に視点を置いて書かれたとしか思えないスケールの大きなものが生まれ始めた。その世界の大きさに合わせた、いや、それをさらに拡げているようなアレンジメントも白眉。
この作品はここまででの最も大きなフックになっているのは明らか。
中島みゆきはこの作品で新たな扉を開けて、次なる土壌、世界を得た。