田原俊彦待望のオールタイムリマスタシングルベストアルバム。
とは言え、自分にとって用があるのはDisc2までなので、そこまでをTSUTAYAディスカスにて接収。聴いた。
少年期のブイブイ言わせていた頃の、ノリで突っ走っていく路線から、青年期に入り、大人のアイドルとしての存在を作っていく苦悩までが克明に描かれた壮大な絵巻にも見えてくるから面白い。
勢いで突っ走るという点においては同時期の近藤真彦と比較的似た路線なのだけれども、マッチがどちらかと言えば不良路線で押していたのに対し、トシちゃんはあくまでも優等生的アイドルとして走っていたのだと今になってから気がついた。
それであるが故に、大人のアイドルとしての地位の確立はなかなかに困難を極めてしまったのだろうとも見て取れる。
研ナオコと組んだ「夏ざかり ほの字組」辺りを境にして、アイドルとしての華やかさが少しずつ影を潜め、その後の諸々の大人になるチャレンジを経てトップアイドルと言う地位からの緩やかなる失脚、そして「抱きしめてTONIGHT」で気を吐き、アイドルとしての『トシちゃん』は終了したのだなと思いつつ聴き眺めていた次第。
辛口な言葉でここまで書いたけれども、Disc1の冒頭からDisc2の中盤に至るまで、本当に「80年代アイドル歌謡」のお手本のような楽曲が揃っており、聴きごたえは相当にありましたよ。名曲も数多いしね。
自分にとってのリアルタイムトシちゃん楽曲期(「ラブ・シュプール」から「It's BAD」まで)は、それこそ「やっと真っ当な音で、あの頃のトシちゃんの曲が全部楽しめる!」と浮かれながら聴いておりました。
ようやく登場したコンパイルですよ。今後ももちろん愛聴します。