音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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Relation / globe (1998)

globeオリジナル4thアルバム。1998年発表。

90年代のJ-POPを語る上で小室哲哉の存在を無視することは絶対に出来ない。その影響力を記そうとすると、それだけで話が終わってしまうことは間違いなく。80年代から小室哲哉の作り出す音楽に浸っていた自分が、90年代に「TK」となったそのサウンドに魅了されていたのもまた当然の流れだった。

globeを切り出す際にこの4thを持ち出すのは、ある意味においては変化球かもしれない。それでもこのユニットのピーク、その終焉をTK自ら作り出したかのように、ダークな色合いとあまりにもゴシックなサウンドメイキングで塗り潰されたこの作品を愛してやまないのもまた事実。

怒濤のシングルリリースを経て、その4枚のシングル曲全てを別ヴァージョンとして収録していたことは、TKの制作欲が全く衰えてなかったことを意味している。一方でこの1998年にはJ-POPにおけるTKの影響力にも影が見え始め、他のアーティストに提供していた楽曲のクオリティにも正直なところマンネリ感が漂っていたことは否めない。

それでも自らが籍を置いていたglobeにおいては、このアルバムの収録曲全てが象徴しているようにどこまでも尖り、突き進み、リスナーに問いかけ、ややするとふるいに掛けるかのような鋭さを持ち合わせ続けていた。

1stアルバムで多く見られた、ポップでカラオケフレンドリーな楽曲はここにはほとんど存在しない。どこか攻撃的かつ内省的に作り込まれた作風。今から見るとそこにはTKの迷いが現れていたかのようにも思えてくる。

成長に伴う痛み。そのような普遍的なテーマが本作には横たわっていたのかもしれない。ユニットをどの次元に進めていくのか、TK自らが進む先はどこにあるのか。まだあるはずの伸びしろの行き先を探す旅が、本作の制作テーマだったのではないかと。

そのように考えると、バラの花にモザイクが掛けられている不穏なジャケットの匿名性にも合点が行く。あまりにも明確になり過ぎたglobeの顔を隠し、次なる表情を模索している作品が本作であると暗喩しているかのような。

TKにとっての売れに売れた作品群の中では最も難解で最も険しい山となっている本作を手に取った時の戸惑い、そして静かなる歓喜は今でも自分の中に熾火となって存在している。それほどまでに当時のTKの核、心境を垣間見ることが可能な作品なのだ。

Relation (マスターピース・シリーズ) - globe