1998年発売、2枚組ベスト盤。TRFの一番おいしいところが凝縮されているアルバムですな。
このディスクは以前所有していたのだけれども、音源共々散逸。今改めて聴き直してみると、小室哲哉がこのユニットをフィルターとして送り出そうとしていた、そのリズム、ダンスミュージックへのこだわりが強く伝わってくるから興味深い。
リアルタイムでも小室哲哉のリズムへの偏執的なこだわりは感じていた事ではあるけれども、それをTRFで感じていなかった自分とは一体何だったのかと小一時間、問い詰められている気分にもなりましたよ。
そしてリマスタの功罪をここでも。2012年頃のTRFのベスト盤の音源は手元にあるのだけれども、あれはあまりもの現代寄りのリマスタに違和感をおぼえてほとんど再生回数を稼いでいなかった。
今回、この1998年盤をボリュームを上げて再生することで、より自然な、この当時にあり得た音圧にて楽しむことが出来たのは僥倖。
リマスタでよくなる音源、そうでもない音源。それははっきりと分かれるものだけれども、こと、小室哲哉の90年代音源においては、後者なのだよね。残念なことに。
それほどまでに、この当時の小室哲哉はそこまでこだわっていた、と言うことの証左でもあるわけで。