音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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BEST BEST BEST 1984-1988 / 吉川晃司 (2005)

誰が何と言おうと、この当時の吉川晃司には他に類を見ないかっこよさがあった。スタイルが吉川晃司以外の何物でもなかったんだよね。バキっとした音作りを中心にしていたところも、吉川晃司のボーカルというかガタイの良さにマッチしていたと思うし。ストイックなんだけれども骨太、みたいな感覚で。ロックを巻き舌で処理しようという先人達の試行錯誤をあっさりと飛び越えて、自分のスタイルにしてしまったタイミングの良さにめぐまれたのかな。この当時の吉川晃司が自分にとって古くならないのは、歌ってみるとわかるんだけど、とにかくかっこいいということ。真似しようとしなくても吉川晃司を意識してしまうという「強さ」を支える楽曲群が、ただとにかくカッコイイので。

今になって聴いてみると、「すべてはこの夜に」で佐野元春を用いたところに、正解に至る多くのヒントが隠されているような気がするのであります。

マスタリングは上々の仕事をしてます。聴く前にライナーに目を通してみると、オレンジの小泉さんの名前がクレジットされていて、その段階で音源の成功を信じましたよ。この当時のドラムの力強さがとにかく気持ちよく聞こえてくる。かつ、ギミックの多い当時ならではのメタリックな音作りが生き生きとしているから、初めて聴く曲でも充分に楽しめるのであります。

これはよいベスト盤だ。