二人の名手が19世紀に作られたヴァイオリンとギターを使い、パガニーニ、ジュリアーニのデュオ曲を演奏。ディスクをトレイに乗せ、再生ボタンを押し、その数秒後に流れ出した最初の音からして、もううっとりとため息をつくしかなかった。
ライナーやサイトの情報からすると「難曲」らしいのだけれども、そのような雰囲気は全く感じさせない、実に優雅でふくよかな音世界が繰り広げられる。とにもかくにも、音の一つ一つの入りが違う。熟練、熟成された音の繰り出し方であることが、手に取るように分かる。「音に魂が宿る」と言うのは、こう言うことを指すのだろう。
録音もSACDの本領発揮と言ったところで、実に美しい。伸びやかなヴァイオリン、コンパクトなギター。そのバランスが非常によい。ミックスのエンジニアは相当頑張りましたよ、これ。
お勧め中のお勧め。