音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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シベリウス:交響曲第1番 / コリン・デイヴィス, ボストン交響楽団 (1976/2020 Hybrid SA-CD)

既存のシベリウスの音楽像とは、おそらく自然文化的側面に根ざしたところから始まり作られているように感じられるのです。いや、それは根ざしたと言うレベルでの話ではなく、もはやそれそのものなのかもしれないと。

もちろんその観点を否定するつもりは微塵もなく。

それでもこの演奏から捉えることの出来るシベリウスは、音楽を音楽として立脚させているものなのだよね。しがらみから解き放たれて、音楽としてそこにあるシベリウス。

パワーと優雅さの両立。音楽作品としてのシベリウス。「シベリウス」なる偶像を打ち壊すほどの革新を施しているわけではないのだけれども、実に活き活きと真新しいシベリウスとしてこれがあるように感じられるのです。

これらの録音が1970年代に築かれたものだと言うのだから、いやはや、クラシック音楽の底知れなさには恐ろしいものがありますな。