音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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ブラームス:交響曲第1番&悲劇的序曲 / ヘルベルト・ブロムシュテット, ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 (2020 96/24)

ブロムシュテットが90代になってから録音された、ゲヴァントハウス管とのブラームスを前に、ただただ頭を垂れひれ伏すのみ、の巻。

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「クラシック好き」程度の人間ではあるので、ブロムシュテットが存命であることも、もう相当な歳であることも知ってはいました。

だからこそ、この録音を持ち上げている声があちこちに見られることに対し「どうせ年齢と権威を前に尻尾を振っているだけなのでしょう?」と斜に構えていたのです。

一方で「でも、あの今のゲヴァントハウス管だしな」と自分の中に湧き上がってくる好奇心は抑えきれず。ネルソンスとのブルックナーがとにもかくにも自分にとって素晴らしい演奏と言う位置づけにあったので、これが気にならないはずがない。

まぁ、お試しに第1番を…と思って聴いてみたらですね。

澄み渡り、かつ、彫りの深いブラームスだ…。

あのブルックナーで聴くことの出来た彫りの深いテクスチャをここでも見せつけられましたね。重厚でありながらも流麗。この二律背反の音作りが共存しているのです。

重いブラームス、古いブラームス、新しいブラームス、軽いブラームス。これまで様々なブラームスの録音物を聴いてきましたが、この録音には自分にとって不足となる要素が全くないのです。

「高齢でありながらもフレッシュな演奏」などと言う安易な修辞をここに記すつもりはさらさらありません。高齢だからこそ可能とする、その経験値が物を言う音作りがあるのだと、痛いほど思い知らされましたね。

こうなったら今日はとことんこの録音とお付き合いします。全てのリリース物を購入してしまいました。

そうそう。録音の素晴らしさにも触れておきます。ペンタトーン。それだけで説明は十分かと。なぜこれをSACDでリリースしないのかね。ペンタトーンはSACDから撤退したと言う話もどこかで見たような気はするのだけれども。

ブラームス : 交響曲第1番&悲劇的序曲 / ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団&ベルベルト・ブロムシュテット (Brahms : Symphony No. 1&Tragic Overture / Gewandhausorchester Leipzig&Herbert Blomstedt) [CD] [Live] [Import]