氷川きよしのオリジナルセレクション。3枚組が3セット。このようなコンパイルが出ているとは知らなかった。慌てて音源をまとめてお借り上げしましたよ。
Vol.01は演歌&歌謡曲、Vol.02は時代物&音頭、Vol.03はロック&ポップス&バラード。濃いよ、濃すぎるよ。全部で9枚、本当に聴き通すことが出来るのか、少し後悔しております。
まずはVol.1のDisc1と2を聴きました。
しかしよい声だなと。聴き惚れる。演歌界における七色の声の持ち主だと改めて。とにかく歌の表情が豊富。かといってその芸達者さに溺れていない。一途に歌に専念しているこの世界観。
かと言って、パッと聴いてこの人だ!と分かるほどの強烈な歌声を持った人ではないのだよね。演歌&歌謡曲歌手として非常に素直な歌声。だからこそ楽曲の幅を手広くカバーでき、その多彩さをもって聴き手の耳を引きつける。それこそが武器。
このジャンルは楽曲の作りがある程度固定、形式化されているのだけれども、それだからこその歌い手の独自性が求められる世界でもあり。氷川きよしが持つ真っ直ぐな声の張りと艶は、個性だけではない、演歌の新しい世界を確立させたかのようも思えてくる。
そう考えてみると、氷川きよし以降に現れた「若手」とされた演歌歌手に、アクの少ない健全な声の持ち主が数多かったことも、氷川きよしの影響力の強さを物語っているのではないかと。それらの歌手はデビュー後の生き残りをかけた模索が大変だったことは、ここ10年ほどで実感させられることでもあり。
その点、氷川きよしにおいては模索ではなく、拡張といった表現がふさわしいのだよね。歌手道をとにかくブレなく突き進んで、数多の曲を巻き込んでブランドをしっかりと確立させていった。まさにこの世界における看板に成長しきったのだろうと。
どうやらその過程、広さを楽しめるコンパイルになっていそうですよ。Disc3も今晩中に聴いてしまおうかな。