音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 / ロナルド・ブラウティハム, ミヒャエル・アレクサンダー・ヴィレンズ, ケルン・アカデミー (2019 96/24)

そう言えばフォルテピアノの演奏をしっかりと聴いたことがなかったのです。

そのようなことを考えながら、先日友人から頂いたガイドブックを読んでいたら、ベートーヴェンのピアノ協奏曲がフォルテピアノに蹂躙されているではありませんか。その中から安価で全集として手に入るこの音源をHIGHRESAUDIO.COMから購入。ガイドブックで撰出されている作品(第1番が撰出されていた)とは異なる第5番を聴いてみることに。

一聴して分かるのは、その音の軽快さ。従来のピアノと比較して鍵盤が軽いと知ったフォルテピアノの特徴が音としてそこに生きているのだろうと察しました。同時に音の動きが非常に俊敏であり、余韻もスッキリと。ピアノが持つ重量感とは異なる性質の魅力がここにありました。

また音が次々と進んで行く分と反比例させるかのように、演奏者の裁量によるだろう音のタメ具合が明らかになるのも特徴的かと。

もちろんピアノにはピアノの、フォルテピアノにはフォルテピアノの魅力がそれぞれ異なる位置にあり、どちらが良いなどとは言えません。楽器の特徴を引き出して演奏されることが肝要なのだろうと、改めて思うに至りました。

ピアノにも進化の歴史があり、作曲家の時代に沿ったスタイルで演奏されることも、現代という時代においての有力な選択肢であることをここに理解いたしました。この全集もまたノンビリと紐解いていければよいかと。

Piano Concertos -Sacd-