音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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2011撰

2011撰 (vox) の再掲です。

私事ですが非常に低運だった2011年を音楽で振り返るべく、2011撰を今年も執り行います。2010年の10月から2011年の11月まで聴いた音楽の中から自分の中に残った音源をリリース時期にかかわらず聴いた順にピックアップしていく例年の企画です。参照:成分2010 成分2011

infinite synthesis(初回限定盤)(DVD付)
infinite sysnthesis / fripSide
打ち込みサウンドが持つジャスティス。これでもかといわんばかりに次々に繰り出される直球デジタルポップに打ちのめされた。アニメ界隈だからこそ許される守るべき古典。



You can’t catch me(初回限定盤)
You can't catch me / 坂本真綾
菅野よう子プロデュースを離れて数作はトライアンドエラーでアルバムを作ってきた感があるけれども、ここにきてようやく坂本真綾の今を切り抜くポップスを作り上げたことに成功した感がある。



トランキライザー
トランキライザー / UNLIMITS
歌謡曲的クサメロパンクロックの雄。有無を言わさぬマイナーメロディの行進をフルサイズアルバムで聴かせる勢いは他に類を見ない。もう一歩のブレイクスルーがあればきっと大化けするバンドだと思っている。



Scent of August
Scent of August / the band apart
作品を重ねるごとにメロディよりもバンドアンサンブルに重きが置かれているように思える。今作もこれまで以上にソリッドに聴かせてくれた。自分にとって今一番安心して聴けるバンドかもしれない。



Wasting Light
WASTING LIGHT / Foo Fighters
王道ロックのサウンドメイキングに、これまたキャッチーなメロディが乗る。ある意味鉄板な作りなのだけれども、全体的に漂う爽快感が新しいロックの風を吹き込むことに成功しているように思える。



剣と楓
剣と楓 / 鬼束ちひろ
この人もしばらくはトライアンドエラーできたけれども、ようやく音楽的に落ち着ける地点にやってきたように思える。初期の内省的なメロディはそのままに、この人だから出来る負の世界を朗々と歌い上げる。



Farewell-Live in Concert
Farewell-Live in Concert / Simply Red
ついに解散を発表したSimply Red。盤石なソウル&メロウなメロディは数々のヒット曲を産み出し、大人のポップスを提供することに対してストイックだったことを証明させる安心のライブ盤になった。これはベスト盤よりも楽しめる。


ティピカル・アフェア
typical affair / 面影ラッキーホール
人生の裏街道を書かせれば右に出るものがいない面影ラッキーホール。今回も救いようのない現代風刺とどこか饐えた臭いのする男と女の関係をいやらしく歌い上げている。こういうバンドが活動できる音楽界はまだまだ捨てたもんじゃない。



【アマゾンオリジナルブロマイド付き】バトル アンド ロマンス(初回限定盤B)
バトル アンド ロマンス / ももいろクローバーZ
アイドルというショーケースに鉄板な曲を持ち込んだ功績は大きい。それでいて飛び道具があちこちにまき散らされた歌詞とサウンドが、アイドルの新しい世界観を持ち込むことに成功している。生ぬるい目で見届けてあげたい。



I'm With You
I'm With You / RED HOT CHILI PEPPERS
メンバー交代もなんのその、アップテンポな曲もどこかはかなげなメロディも、盤石な演奏陣ががっちりと支えて一つの絵に仕上げている。ベテランだからといって守りに入らず、どこまでも自分たちのロックを積み上げ続ける安心印のアーティスト。



Tomorrow's World
Tomorrow's World / erasure
一時期の迷走もどこへやら、今作はどこを取ってもerasureといえるエレポップに仕上げてきた。躁状態も鬱状態も一緒にして高いところへと舞い上げる音作りは心地よい酔いをもたらした。



Mylo Xyloto
Mylo Xyloto / COLDPLAY
どこを取っても美しいメロディと壮大なアレンジが厭味にならずに聴きやすいサウンドを作り出している。いわゆるバンドサウンドとは一線を画して、自分たちの美意識に対して迷いなく進んでいるところに唯一無二のプロ意識を感じさせる。



JPN(初回限定盤)(DVD付)
JPN / Perfume
バキバキのテクノはなりを潜め、原点回帰とも言える可愛らしさを持ち込んできたことにまず驚いた。進化の方向性を四方八方に求めている貪欲さが、改めて三人のボーカリストを擁していることを実感させる作りに。


今年はこの13枚。ここに選ばれなかった作品の中にもまだ聴き込みが足りないものもあるだろうけれども、特に繰り返して聴いた作品を中心にセレクトした次第。全体的にメジャー寄りになったけれどもそれは毎度のことでもありますし、自分の趣味嗜好が「わかりやすい」メジャー寄りになったことの表れでもあろうかと。旧譜が全く選ばれなかったのも自分の掘り下げ度が少なかったことの表れだろうかと。今年もお腹一杯です。また来年も面白い音源に出会えますように。