音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

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Tree / SEKAI NO OWARI (2015)

友人が山荘に持ち込んだので、それ以降何回か通して聴いている。今朝も朝一に再生。

なんだろうな、これ。簡単に無視できない何か詰まっているような気がしている。自分にとっての鉱脈を持った作品とでも言えばいいか。

パレード感、ここではないどこかと向かっていく勇ましい行進、その途中で現われるエピソードの数々。早い話が昔のラノベだ。

ファンタジーと言ってしまえばそれまでだけれども、ストーリーとしての文体(舞台設定)はとても明確なのだよね。だから若い子たちにとっての、物語の玉手箱のような存在なのではないかと思い始めてきた。あらゆる物に対する強い疑問を持ち始める年頃ならではの、万能感。その感覚を満たしてくれる存在としてあるのではないかと。

同時に、向き先のわからない衝動、焦燥感、強い願望と言ったものを、どこかへと連れて行ってくれるような感覚がある。それは歌詞だけではなく、非常に明快に作られているトラックからも感じられるのだよね。形に出来ないものへの解を与えてくれる存在としてSEKAI NO OWARIは存在しているような。

これ、風呂敷を拡げると、結構なことになりそうなので、コンパクトに聴くことにしよう。少なくとも自分にとっては無下に否定したり、笑い飛ばすような作品ではなかった。自分の精神年齢をどこに置くかによって、聴き方が大きく異なってくる作品ではないかと。

ちなみに本作を聴いて真っ先に頭の中に浮かんだのは「ハーメルンの笛吹き」だった。こういうキラーワードが出てくる段階で、もう自分の中の釣り針には引っかかっているのだよな。