「そうだ、ブラ4聴こう」
自分がクラシックをかじり始めた頃に買った廉価盤のブラームス。
シュターツカペレ・ドレスデンという名の楽団も知らなければ、ザンデルリングという名も当然知る由もなく。安かったという理由だけで買ったのですよ、これ。
それはともかく、相当長い間耳を通していなかったので、さて、今聴くとどう言った印象を持つだろうかと思い、再生。
これまた濃厚。非常にこってりしたブラームス。それでいて胃にもたれない感のある味の濃さ。
流麗と言う表現とは異なる、トルクの強さ。「味がある」とすると逃げ言葉にもなり兼ねないけれども、事実複雑な味があちらこちらから漂うのです。蕩々とした流れに巻き起こっては消える渦のような。
フルボディでグイグイと進んで行くブラ4。
クラシックの入口を恐る恐るのぞき込んでいた頃に、こんなにいい物を聴いていたのか、自分は。おそらく「何となくかっこいい」程度に聴いていたのだろうな。
当時の自分に言ってあげたい。「それは、いい買い物だよ」と。15年もすれば、その良さがハッキリと分かってくるよ、と。