音波の薄皮

その日に聴いた音楽をメモするだけの非実用的な日記

当コンテンツではアフィリエイト広告を利用しています

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 / キーシン, コリン・デイヴィス, ロンドン交響楽団 (2008 FLAC)

キーシン、36歳でのベートーヴェンピアノ協奏曲の録音。

流麗に響くピアノは自分好みの音。オーケストラとの統一感も十二分に感じられる。カデンツァにおいても奏者のオーバープロデュースにならない抑制の効いた演奏を楽しむことが出来た。

キーシンのピアノを初めて聴いたのはアバドとベルリン・フィルとのコンビネーションでのことだったけれども、それに比較するとコンパクトなオーケストレーションになりがちなロンドン交響楽団とのバランスが上手く図られている。オケに合わせるのが得意な奏者なのだろうか、といった印象。

いわゆる「大家」の演奏をこれまで聴くことが多かったベートーヴェンのピアノ協奏曲だけれども、若い演奏も実にはつらつとしていてその音色の明るさが全体を通して好印象だった。

これこそが「染まっていない演奏」であるとも言えるのかな。

Beethoven: The Complete Piano Concertos

余談。

ヘッドホンで聴いたのだけれども、聴き始めはDAPからaptX HDでの接続で聴いていた。しかしどうもオーケストラのアタックが弱くなり、ややピンボケの音になる。ピアノもダイナミクスが減る傾向にある。

プリメインアンプからのワイヤードに変えて聴き直すと、それら印象が一変。ダイナミックレンジの広さの表現力が強みになるクラシック音楽においては、リスニング環境をサボってはならないと言う事ですな。

以上。